ゾッとする話

ふと思い出した、私が学生の時に体験したゾッとする話をしたいと思います。

 

中学校の修学旅行で京都を訪れ、その夜宿泊した旅館で起こった出来事です。

 

私の部屋はハルト(私)、K谷、そして〇太の男子3人組でした。

1日目の日程がやっと終了し疲れ切っていた私は、部屋に到着するとすぐさま就寝の準備に入りました。

しかしそこで〇太が、「え〜!ハルト、もう寝ちゃうの!?修学旅行といったらお喋りでしょ!!!お喋りしようぜ!」と言い出すのです。

そう、修学旅行だろうがなんだろうがすぐに寝たい私に対し〇太は極度のお喋り症候群。既に布団を被り完全に就寝モードの私に対し、耳元でずっとマシンガントークを繰り出してきます。

痺れを切らした私はついに「寝るから静かにして!」と強引に電気を消し目をつぶってしまいました。

そして十数分がたち、ゆっくりとまどろみの中に入ってゆきウトウト仕掛けていたその時、ヤツの攻撃がまたもや始まったのです。

 

「ボソボソ…ボソボソ…」

 

何やら耳元で語りかけてくる声が聞こえます。明らかに〇太だ。そう私は思いました。

(うるせえなあ…まだやってんのか…)

おぼろげな意識の中、私は語りかけてくる声に耳を傾けました。

 

「…ノカ…テンノカ…」

 

…なんだ?何言ってんだ?

 

この時点で私の意識は少しずつ覚醒し始め、わからなかった内容が聞き取れるようになってきました。

 

「…てんのか…起きてんのか?寝てんのか?起きてんのか?寝てんのか?」

 

どうやら声の主は、私が起きているのか寝ているのかをずっと確認しているようです。しかしそれにしても、ずっと

「起きてんのか?寝てんのか?」

その言葉を繰り返すばかりで先程の〇太の様に恋バナだのなんだのと話を振ってくることもありません。そんなことを考えてる間にも、

「起きてんのか?寝てんのか?起きてんのか?寝てんのか?」

と声は続きます。くっそ…寝たいのに…!と半ば本気でイライラしていた私はついに

「うっせ〜よ〇太!!寝てーんだよ俺は!!!!!!!」

と飛び起きました。すると、

 

 

部屋には誰もいませんでした。

 

 

 

アレ?

 

じゃあ今の声は?

とゾッとしたのもつかの間、そこで暗かった部屋に光が差し込みました。入り口のドアからK谷と〇太が入ってきたのです。

「純ちゃんの部屋に遊び行ってたわ〜はると寝ちゃうんだもん」

私は今起こった出来事を2人に説明しますが、2人はお前、何言ってんの?ととぼけ顔。本当に何も知らない様子でした。

 

私が起きてんのか、それとも寝てんのか。ずっと確認してきたあの声は、寝ぼけた私の気のせいだったのでしょうか。

信じるか信じないかは、あなた次第です。

 

 

ちなみにこの話は全部嘘です。

K谷、〇太、巻き込んでごめんね。