風呂が好きだ。
どれくらい好きかっちゅうと1日に2回は入るぐらい風呂が好きだ。多分しずかちゃんとタイマン張るぐらい好きだ。
私にとって風呂とはもはや愛妻的存在で、今では「愛してる!風呂!!大好きだ!」と叫びながら水面にダイブする。全裸で浴槽に軽くKiss。体が火照る。
シャンプー、シャンプー、リンス、シャンプー、リンス、そしてダンス……。
そこはもうダンスフロアだ。ボディソープという名のボディソープに身を包み、さながら80年代のジュリアナ嬢の様に踊り狂う。新元号の発表を控え、平成が幕を閉じようとしているこの時、この空間だけは昭和そのものなのだ。
「好きだよ、風呂…。」
「本当に?どれくらい…?」
そんな会話すら聞こえてくる。
天井から落ちる水滴が悪戯に背中で遊ぶ。我慢しきれずつい声が漏れる。タライを軽く愛撫し、椅子の中央に空いた穴をやさしく指でなぞってみる。やっとモーターのコイルが暖まってきた。別れの時がやってくる。
「また…来てくれる?」
そんな問いかけはヤボってもんだ。
必ず戻ってくるさ…3時間後ぐらいに。