肉棒

私が野球をやっていた時、後輩に「肉棒」というあだ名のヤツがいた。

 

当時からとにかく背が高く、現在は地元の釣具屋で働いているのだが、たまに会いに店に行くと釣竿の並ぶ棚から頭1つオーバーしているのでどこにいるのかがすぐにわかる。

 

しかしそんな彼が、なぜそんな「肉棒」とかいう卑猥なあだ名なのかに触れなくてはならない。

 

ヤツが新入生として私の野球チームに入って来た時、新入生は全部で5人だけだったがいちいち名前を覚えるのが面倒なので、我々先輩で新入生全員にあだ名を付けることにした。

 

中でもヤツのあだ名は難航した。

 

「デカいから“マッチ棒くん”がいいんじゃないですか?」

 

「ん〜、なんかなげえし、コイツに「君付け」すんのはシャクだな……もう“ポコチン”でいいか!めんどくせえし」

 

「雑すぎませんか!?しかも試合中、おいポコチン!とは呼べないですよ!もう少しこう、オブラートに包まないと…あ!ペニスとか!」

 

「ペニスか…水の都と勘違いしそうだな…。よし!“肉棒”にしよう!!!」

 

「肉棒…おい!肉棒!おお〜、なんかしっくりきますね!」

 

「よし、お前は今日から肉棒だ!そして何年経とうが、結婚して奥さんがいようが子供が出来ようが、お前は俺たちの中では肉棒と呼ばれ続けるのだ」

 

なんてやりとりがあって、ヤツはその日から「肉棒」と呼ばれる十字架を背負うことになった…。

 

あれから約8年経つ。

ぶっちゃけ、肉棒の本名は覚えていない…。

 

まあ、そんな感じです。